ダグ・ロッキ氏へのインタビュー(ビデオからの翻訳:抜粋)
2003年10月19日 ドイツ、ハンブルグ
質問・作成、弁護士:伊藤和子
但し最後の質問は日本国際ボランティアセンター:佐藤真紀
1 あなたの経歴、特に軍隊における経歴を教えて下さい。
軍隊では、核兵器・生物・化学兵器に関する武器の専門家をしてきました。現在はDUの専門家です。
2 DUとは何か、説明して下さい。
DUはウラニウム濃縮の過程でできる副生物です。
U234とU235の成分を全てのウラニウムから取りだして濃縮します。そのU234とU235を使って核燃料や核兵器を製造します。そこで残るのは酸化ウラニウムで、それをDUと呼んでいます。
3 DUは戦場においてどのような効果をもたらしますか?
戦闘においていろいろな武器に使われています。重金属を含み、放射能を持っていて環境を広範囲に汚染する能力を持っています。健康的な障害は体内摂取によって起こり、ウラニウムを吸い込んだり食べたり何かの手段によって体の中に入れてしまって起こるものです。
4 あなたは湾岸戦争の際、イラクに派遣されていますが、どのような任務でイラクへ行ったのですか?
最初は核・生物・化学兵器の危険に関する健康上の危険について兵士に教育するために行ったのです。陸上戦が終わった時点で私は新しい任務を負わされました。それは戦闘地域のクリーンアップするという任務でした。医学的に関するケアは、味方の攻撃にあった人に対するメディカルケアをどうすべきかを教える、ということでした。
5 アメリカ軍がDUを使うのは知っていましたか?
知っていました。1990〜91年にかけて、地上戦の最終段階でイラクで使ったDUはイラク軍を倒すために非常に効果的でした。
6 あなたはDUの危険性についてその時、正確に知っていましたか?
1990年の12月にメモを貰うまではDUについて聞いたことがありませんでした。メモを読んだときに初めてDUの健康被害について知りました。それを知って対策を立てなきゃならないと思った。しかし自分は経験を積んでいたので、どのような対処をすればよいかは想像がつきました。
7 湾岸戦争の任務を終了したとき、あなたとあなたの周囲の兵士に何が発生しましたか?
湾岸戦争の地上戦終結後、戦闘地域の土壌のクリーンアップ作業をしましたが、この任務に3か月もかかりました。私たちが任務を開始して2日目から病人が出ました。しかし、私たちには呼吸器障害を防ぐような装備は何も与えられませんでした。
しかし、マンハッタン・プロジェクトのメモを見ると、「DUを防ぐことのできる装備などない」ということがわかったのです。
8 あなたが言っている「マンハッタン・メモランダム」とはこの文書のことですか?
−甲第126号証を示す−
そうです。マンハッタン・メモは、最初の「汚い爆弾のメモランダム」と呼ばれていました。このメモには、環境を汚染するためにこの兵器を使ったほうがいい、ということ、この兵器のを防ぐ手立ては何もない、健康障害が起こってもそれを治療する手立てが何もない、ことを知った。土もみな汚染され、そこに住んだ人は長期間にわたり様々な障害に会うということを知った。
9 1991年3月1日ロスアラモスのメモを示します。これには何がかかれていますか?
−甲第127号証を示す−
このメモには、DUを使いつづけるためには、私たちが見たり聞いたりしたことについて今後一切嘘をつき続けなければならない、という趣旨のことが書かれています。
10 1991年8月19日のメモを示します。ここには何がかかれていますか?
−甲第128号証を示す−
このメモは、エリック・シンセキ将軍が作成したものですが、このメモには、国防副長官が陸軍に対し、DUは危険であるから、DUで汚染された兵器に接触する兵士へのDU汚染予防のための訓練、被害者のメディカル・チェック、メディカル・ケアをしなければならないと命令し、さらに、DUで汚染された兵器のクリーンアップをすべきだ、と命じています。
シンセキ将軍は数週間前に引退しましたが、既にDUが非常に危険であるということを知っていたのです。
11 あなたが1994〜1995にペンタゴンのDUプロジェクトの責任者になりましたね。それはどんな任務ですか?
イギリス、オーストラリア、カナダ、ドイツなどの将校を集めてDUの危険性を研究するプロジェクトが結成され、それを指揮するように言われました。 DUプロジェクトの目的は、戦闘に出て行く人々のために、DU兵器を使ったときの危険性・害悪をはっきりさせる、兵器を使った際にこれに接触した人に、どのような対応策、予防策があるかはっきりさせて教える、どうやってクリーンアップしたらよいかを提案する、ということでした。
私たちは勧告を出したが、そのうち時間がたってわかったことは、われわれの勧告が全く無視されたということであった。そして米軍は未だに何ら対策を打っていません。
DUが危険だとわかったので、1992年に私たちの仲間の1人がDUの毒性を減らす方法を発見した。それもとりあげられませんでした。
12 あなたはビデオ・テープ・プロジェクトに関与していましたか?
DUプロジェクトの一環として作成されました。私たちはDUに関して複数のビデオテープを作りました。1本目は、DUが爆発したときにどういう危険があるかということを警告するもの。
2本目はクリーンアップするときのマニュアル。3本目は、放射能を測る際のやり方に関するもので、ガイカーカウンターがDUの測定には効かないことを明らかにした。4本目は、DUの残滓を破壊するにはどういう設備を使ったらいいか、5本目は、不発弾をどう扱ったらよいか、というもの。特に危険な地域に居る兵隊達のために作ったもの。
これらのビデオは特に、活動している兵隊の安全を守るためだけの目的でした。私たちはクリーンアップが大事だと提案したが完全なクリーンアップはできない、だから私たちは二度と劣化ウラン弾を使うなという提言をしました。私たちが作ったビデオはアメリカ上層部で無視され、NATO,イギリス、オーストラリア、その他の国々で全面的に無視されました。
彼らは第一次湾岸戦争でも劣化ウランが非常に危険であることを百も承知で使っているのです。
米軍には、メディカル・ディレクティブ−兵士にメディカル・ケアをしなければならない−という規則がありますが、DUに関しては一貫して履行されていません。
ウラニウム兵器を使うのは国連の規定に反する違法行為です。他の国に対して放射能兵器を撒き散らして除去もしないなど、絶対にあってはならないことなのに、それが実際に起こっていることなのです。これは戦争犯罪です。
私がDUの健康障害について外部で発言を始めたら、私は恩知らずの奴だということになってしまいました。そして、様々な国々がDUには何らの害もないという報告書を次々に発表しました。しかし、どの国の報告書も自分達の兵士の病歴や障害についてのデータを全く無視した報告になっています。
13 アフガンにDUについて使われたことは知っていますか?
使用されていることは間違いないでしょう。湾岸でも、今回のイラク戦争でも使われたのです。もと将校だったアサフ・ドラコビッチ氏が一番、アフガンでのDU被害の証拠をつかんでいるはずです。
彼は、アフガンの難民や戦闘地域のアフガン人の尿の分析を行い、普通の環境では発見できないウラニウムを発見しました。そして、普通の環境では発見できない組成のウラニウムも発見しています。それだけで十分です。医学的にも、写真でも、視覚的にも確認されているのです。
ロスアラモス・メモでは「アメリカはDUを使いつづけるだろう、それが効果的な武器だから」と書かれています。
しかし、放射能兵器を他国に放り込んで、「はい、さようなら」ではすまない、そういうことはあってはならないのです。
14 ドラコビッチの調査結果によれば、汚染された人々の尿からU235.238.234のみならず、U236が発見されているそうです。あなたはこのことについてどうお考えですか?
DUは汚れたアイソトープを使って作るものです。それは1991年当時から言われていたことであり、ドラコビッチの研究はそれを確認したに過ぎません。それが証明しているのはDUが戦闘で使われたことを証明しているだけのことです。イラクでも、沖縄でも、プエルトリコでも、インディアナでも、同じようなものが見つかっています。
15 自衛隊をイラクに派遣することをどう思いますか?
日本の妻、母、そして父、息子、娘、家族全てが大きな声を出して日本の指導者たちに「イラク戦争から手を引け」と要求すべきです。イラクに言っても危険から守ってくれる装備もないし防護服もないし、いざ病気になっても直す方法もありません。
イラク全土はどこへ行っても汚染されています。放射能毒性だけでなく、重金属毒性もあります。戦争によって社会基盤が壊されたことに基づく、産業的な汚染もイラクにはあります。たくさんのアメリカ兵が病気になっているしイラクの市民もたくさん病気になっています。
私が理解している限りでは自衛隊は自国を守るためにあるのであり、他国を攻撃することは許されていないはずです。彼らを汚染された場所において、戻ってきても、病気になってもどってくるか、その前に殺されるか、戻ってきてもいずれ死ぬかです。誰も勝利を得る者はいません。
第一次湾岸戦争では22万人の米兵が障害者になっています。それはフォーマルなドキュメントがあります。
1990年8月〜2002年の5月までに22万1000人の元米兵が障害者と認定され、1万人以上の米兵が死んでいます。ちゃんとした統計資料があります。
それと同じことがあなたの息子達に起こっていいのですか? やめなさい。