鎌仲ひとみ

監修:井下 俊 (医師)

 ヨード剤はヨードを含む放射性物質の急性被曝に関して薬効があるものであって、劣化ウラン汚染に関しては薬効はありません。なぜなら劣化ウラン弾に放射性ヨウ素は含まれていないからです。
 放射性ヨウ素を含む体内被曝の場合、甲状腺が自然のヨウ素と放射性のヨウ素の区別がつかずどんどん放射性ヨードを取り込しまい、それが原因で後に甲状腺がんなどの障害をもたらします。ヨード剤は、このような甲状腺での放射性ヨードの取り込みをブロックするために用いられるもので、放射性ヨウ素の被爆時の急性期には効果が得られると考えられます。
 劣化ウラン弾の被曝はウラン238の体内被曝であり、それに重金属毒性が加わります。放射性ヨウ素を含まず、かつ、すでに体内に入ってしまっている劣化ウラン被害に関してはまったく無意味で、むしろ副作用が懸念される見当違いの治療です。
 白血病、がん、湾岸戦争症候群の治療は対症療法しかありません。それぞれの病気の専門的な治療が必要なのです。
 湾岸戦争症候群に関しては有効な治療そのものがないのが現状ですがだからといって有機ヨードが薬効があるという報告は聞いたことがありません。




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